どんな初心者でも必ず持っている楽器 〜それがヴォーカルトレーニングの落とし穴〜
こんにちは。
前回の記事は、歌いたい気持ちはあるのに一歩踏み出せないでいる人に、応援のつもりで書きました。
声という楽器はありがたいことにどんな初心者でも最初から持っています。何か音楽をやってみよう!と思った時、誰でも初期投資ナシではじめられるのが「ヴォーカル」の良いところです。
ところがこの「ヴォーカルは誰にでもできる」という認識が、初心者の心構えを揺さぶる大きな要因となっています。
自分はヴォーカル初心者で、上手くなるのはこれからだ!と思っているはずなのですが、なぜか周りのヴォーカル上級者と比較してしまって自信をなくしてしまうのです。
他の楽器、例えばギター初心者の場合、楽器の仕組みの理解やコードの押さえ方、タブ譜の読み方などはじめに覚える事がたくさんあって、それらを覚えられていないうちは明らかに自分でも初心者だと自覚しているので、上級者の演奏と自分の現状を比べて落ち込んだりすることはまず無いでしょう。
初心者ギタリストがエリック・クラプトンの演奏を聞いて、「あんな風に演奏できるようになりたい〜!」と憧れることはあっても「なんだよ、あいつ俺より上手くて悔しい〜!」と思う人はまずいないでしょう。覚えることを一通り覚えてそれなりの技術を身につけた段階で「あの弾き方はどうやるんだ、真似できないぞ?悔しいなぁもう!」と思うことはあるかもしれません。
話をヴォーカルに戻します。ヴォーカル初心者の場合は、初心者といえども初めに覚えないといけない事はほとんどありません。声は生まれた時から出しているのでとりあえずは出るし、楽譜を見なくても音を聴けばその音にだいたい近い音程を出すこともできます。他の楽器の初心者が初心者たる自覚を持たされるような明確な課題(楽器の仕組み理解度や読譜力など)がないのです。
他の楽器を学んでいると、”この曲を弾けたら中級者・上級者”といわれるような課題曲があり、初心者でもその楽譜を見れば今の自分には無理だと判断できたりするものですが、ヴォーカルはあまりそういうこともないので、難易度の高い曲にいきなり挑戦して全く歌えなくて落ち込む、、という効率の悪いことをやっている初心者が多いです。
初心者の自分にはまだできないのが当たり前だと認識することで、ムダに落ち込むことなく、未来志向で練習に臨むことが、上手くなるためにも重要なのです。
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